極限環境生物 2012 8 5

書名 極限環境の生き物たち なぜそこに棲んでいるのか
著者 大島 泰郎  技術評論社

 「科学は、知的好奇心から始まる」
 著者は、最近は、どの国でも「理科離れ」が問題となっていますが、
これは、単に教育だけの問題ではなく、
「科学は役立たなければならない」という風潮こそが、
問題ではないかと指摘しています。
 私も、そう思っています。
あまりにも実用性に重点を置きすぎると、
誰も科学的な好奇心を持たなくなると思います。
 さて、本題に入りましょう。
極限環境生物とは、何か。
 地球上では、あらゆる場所に生物が棲んでいますが、
なかには、生物が棲んでいるとは想像もできないような「極限環境」に、
平気で棲んでいる生物を「極限環境生物」と呼んでいます。
 たとえば、温泉の泉源のような煮えたぎった高温、
「死海」のような塩分の濃い湖、
酸やアルカリの強い場所、
深海底のような高圧の場所などが「極限環境」と言えます。
そういう場所でも、生命が住んでいるのです。
 そうすると、あることを想像する人がいるかもしれません。
最近は、ニュースで、太陽系外の惑星が発見されたという報道があります。
つまり、極限環境生物の研究は、「宇宙生物学」につながるのです。
 著者は、こう言っています。
宇宙生命の研究者は、「液体の水があるところには生命の可能性あり」としていますが、
これは少し条件が甘く、
極限環境生物の研究者である著者の考えでは、
「温度は130度以下、pHは10以下」と条件を絞るべきだということです。
 太陽系外の惑星の発見が相次いでも、
おそらく、地球は、生命が生きていく上で、極めて魅力的な星だと思います。
宇宙から見たら、地球は「魅力的な不動産」に見えるでしょう。
もちろん、地球は、太陽の周りを好転していますので、
「動産」かもしれませんが・・・・・。


































































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